よかった

父　中尾徹昭

あるとき、　弘伸が　わたしに　もうしました。

「ぼくは　12指(し)腸(ちょう)ガンでよかった」

「12指腸だったから　たべられない　という　症状(しょうじょう)がでて　ガンが　はやく　はっけんされ、あと6ｹ月の寿(じゅ)命(みょう)ということがわかったのであって、もし　他のところにできていたら　ガンを発見した時には　1ｹ月とか2ｹ月とかになっていたのではないか」

私に向かって　悲しさ(かなしさ)や淋し(さびし)さの中にあってもなお゛よかった゛と　いえることを　さがしてほしい　といっているように　おもえてきました。

それいらい　わたしは゛よかった゛といえるできごとを　さがすように　こころがけて　いくつかの　よかったことを　発見(はっけん)いたしました。

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つづく。