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よしの240神戸連続児童殺傷事件20年 彩花ちゃん母が手記
「彩花へ、ふたたび あなたがいてくれたから」山下京さんの書かれた本読ませていただきました。
10歳で彩花ちゃんを亡くされてなんともうしあげていいかわかりませんが、私も10歳で2015年に亡くなった石橋美羽ちゃんのことを考えているので、冤罪問題についてどう思われるかお手紙差し上げたいと思っています。
本では犯人を抱きしめたいと書かれていたそうで、冤罪と思われているのではないかと思うのです。
小学校の保護者会の役員をしてあった山下京子さん
高校生の時はアリスのおっかけもしてあったそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=RRVLLjItTYI
昴 (谷村新司)
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201703/0010025282.shtml
2017/3/23 06:30神戸新聞NEXT
神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、亡くなった山下彩花ちゃん=当時(10)=の命日である23日を前に、母親の京子さん(61)が取材に応じた。2年前、当時14歳だった加害男性(34)が本を出版。「彼の存在に振り回されず、私たち家族の人生を大切にしたい」とし、「たくさんの方の真心に支えられて生きてくることができた」と振り返った。(石川 翠、初鹿野俊)
15年6月、男性が事件の様子などをつづった手記を突如出した。「これまでに送られてきた謝罪の手紙は何だったのか」。今年も手紙の受け取りを拒否した。直後は気持ちがしんどくなったが、「彼には関わらない」と決めた。
夫の賢治さん(68)との会話では彩花ちゃんの話が尽きない。負けん気が強くてマラソンの練習を一生懸命していたことや、京子さんが準備した洋服を好みじゃないと朝から着替えていたこと-。楽しい思い出話で、自然と笑顔になる。
事件の前日、急にいとおしくなって抱きしめたときのサラサラの髪の毛と、きゃしゃな体を、手のひらが今でも覚えている。「姿形を見たいと思う気持ちは変わらないけれど、魂の絆は切れることはなく、いつもそばにいてくれている」と20年を振り返った。
京子さんは、彩花ちゃんの命日に合わせて神戸新聞社に手記を寄せた。全文は次の通り
◇ ◇
彩花が10歳でこの世を去って20年。彩花が生きた時間の倍の歳月が流れました。どれほどの時間が流れようとも姿は見えなくとも彩花の存在が薄れることはなく、私たちの中にしっかりと根を下ろしています。
当時は悲しみと絶望感に押しつぶされそうな毎日で、明日のことさえ考えられませんでした。そんな私たちに寄り添い、励まし、支えてくださったたくさんの真心のおかげで、今日まで日々を重ねることができました。毎年3月23日は、感謝の思いを確認する日でもあります。
神戸の事件以降、少年法が改正され、犯罪被害者等支援条例が制定される自治体も増えてきました。また、教育現場や地域でも子どもを守り育てるという意識が大きく変わったように思います。しかしながら、残虐で短絡的な殺人やいじめによる自殺、虐待など子どもを取り巻く事件は後を絶ちません。悲劇が繰り返されるたびに、心が痛くなるのは私だけではないでしょう。
このような日本社会になってしまった理由には、自分さえよければいいという利己主義とお金やモノを多く所有することが幸せと感じる物質至上主義があるように思います。そういった刹那的な幸福感はゆがんだ嫉妬心や孤独感を生み出します。事件の火種は全てこの思想にあると言っても過言ではありません。では何が必要なのでしょうか。それは、物質とは対極にある目に見えないものに価値があると認識することと、利他の精神だと強く感じています。
それを子どもたちに教えるには、大人が自ら人のために心を尽くし、人の役に立てる喜びを言葉だけではなく姿を通して伝えるしかありません。どんな状況にあっても、誰も皆その人にしかできないお役目が必ずあるのです。そして、自分が生かされている現実や、周りの人に「ありがとう。おかげさまで」と感謝する心を忘れないことです。遠回りのようですが、こういった小さな積み重ねが命を大切にする思いにつながっていくのではないでしょうか。
私たち家族が20年をかけて学んだのは「試練の中でこそ魂が磨かれ、人の幸せを願う深みのある優しさと、倒れても立ち上がろうとする真の強さが育まれる」ということです。家族の絆もさらに強くなりました。それらは決してお金で買うことができない宝物であり、彩花が命をかけて教えてくれたことに他なりません。これからも、体験し学んだことを丁寧に社会にお返ししていくことが、私たちの役目だと確信しています。
2017年3月23日 彩花の命日に寄せて 山下京子