ふくおか自由学校の大山です。
2016年度第二回目のふくおか自由学校では、
5月28日(土)に映画監督・作家の森達也さんをお迎えします。
高市総務大臣の「電波停止発言」で、権力によるメディア規制が
問題化しています。森さんが16年前に撮られた「放送禁止歌」
というドキュメンタリー作品では、戦争、人権などをテーマにした
曲が、なぜ「放送禁止」になったのか、そもそも「放送禁止」だった
のかが鋭く問われていました。
メディアとは本来どうあるべきなのか。森さんと共に考えます。
※第一回目「ネコが世界を動かす旅」のレポートとyoutubeの映像を
最後に載せていますので、是非ご覧ください。
Vol 2 森 達 也 さ ん 講 演 会
「放送禁止歌 戦争の足音が聞こえる今、歌が消される?」
戦争、政権批判、人権、性、ナンセンス…そんなテーマの曲が、
なぜ、誰に、どんな理由で禁止されたのか?
1999年に放映された伝説的なドキュメンタリー番組「放送禁止歌」
製作時の背景や経過、また現在安倍政権に「規制」されていると
いわれるマス・メディアの今を、その最前線に立っている映画監督
が語る濃厚な時間(資料映像あり)。
2016年5月28日(土)
12:30開場 13:00上映※1 14:00講演 15:45質疑応答
会 場:アミカスホール(福岡市南区高宮3-3-1/西鉄高宮駅横)
参加費:一般1000円/学生500円
主 催:PP21ふくおか自由学校
問合せ:090-7157-1873 (菊川)
ohyamayairochou@yahoo.co.jp
※1 講演に関する資料映像を上映します。
森さんからのメッセージ:
メディアと国家権力とはどのような関係であるべきなのか。この
フレーズを最近はよく目にする。あるいは権力によるメディアへ
の弾圧。メディアへの干渉。
なぜこのような事態になったのか。なぜメディアは反撃できな
いのか。今に始まったことではない。16年前にドキュメンタリー
「放送禁止歌」を撮りながら気がついた。それは僕たち(社会)の
選択なのだと。
【問題提起】森達也さん(映画監督・作家・明治大学特任教授)
1980年代前半からテレビ・ディレクターとして、主に報道とドキュ
メンタリーのジャンルで活 動する。1998年にドキュメンタリー映画
『A』を公開。ベルリンなど世界各国の国際映画祭に招待され、高
い評価を得る。主な著書は、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、
『下山事件』『東京番外地』(新潮社)、『王さまは裸だと言った
子供はその後どうなったか』(集英社新書)、『自分の子どもが殺
されてから言えと叫ぶ人に訊きたい』(ダイヤモンド社)2016年
夏に新作映画『Fake』を発表の予定。
Vol 3 夜の自由学校~あなたを変えた一曲を聴く
この回は、参加者が主役です。「あのデモに行く前に聴いていたなあ・・」
「あの日本を揺るがした事件の時、私は恋をしてたなぁ・・」など誰にでも
自分を動かした曲があるはず。そんな一曲をCDで持ち寄り、みなさんの前
でかけます。その時、あなた自身のエピソードも話してください。いつも聴
いているばかりの音楽を人前で「聞かせて」みましょう。
みんんがDJになる音楽イベント!
日時 6月19日(日)19:30~21:30
参加費 500円+ドリンク代
会場 ライブ・バーi&i(福岡市中央区清川1-10-14 サンロード商店街内)
用例 (作詞・作曲)ジョン・レノン「イマジン」・・私がこの曲を初めて
聴いたのは、16歳のとき。そのときがピンと来なかったけど、9.11以後、
アメリカを中東の関係が悪化するなかで思いました。足りないのは想像力
なんだ。もっと想像してみれば、作っていける平和があるのだと。
Vol 4 ビキニを見ればフクシマが見える
70年も前のことになる。マーシャルのビキニ島で核実験が行われた。日本では
第5福竜丸の被ばくで知られている。が、マーシャルの人たちがどうなったのか
は知られていない。マーシャルの人たちを40年以上も撮ってこられた島田興生
さんのスライド&トーク。「ビキニふくしまプロジェクト」は、2012年4月
から活動を始めた。その中から写真絵本『ふるさとにかえりたい』(羽生田有紀 文)
が生まれ、朗読劇「ビキニ追われて」が演出された。(当日、絵本朗読と朗読劇上演予定)。
日時 7月30日(土)18:00~20:30
会場 福岡人権啓発(ココロン)センター研修室(あいれふ8階)
参加費:一般1000円/学生500円
経歴 島田興生(しまだこうせい)さん
神奈川県葉山町在住。写真家。『還らざる楽園』(小学館刊)、
写真絵本『マーシャルの子どもたち』(福音館書店)
経歴 羽生田有紀(はにゅうだゆき)さん
藍染作家(理数系文様)。東京都世田谷区在住。
Vol 5 高島&軍艦島エネルギー・ヒストリーツアー
日時 8月27日(土)~28日(日)
主催 NPO法人たんぽぽとりで 共催 ふくおか自由学校
Vol 6 沖縄の不条理とは何か?米軍基地問題の深層を問い続けて
日時 9月10日(土)【予定】
問題提起 松元剛(まつもとつよし)さん(琉球新報編集局次長兼報道本部長)
Vol 7 なぜ、1万人原告なのか?原発なくそう!九州玄海原訴訟
日時 10月15日(土)【予定】
問題提起 長谷川照(はせがわあきら)さん(佐賀大学名誉教授(元学長))
Vol 8 第8回韓国スタディーツアー
~韓国の反原発・民主化運動の今、そして豊田勇造ライブ
日程 11月4日(金)~6日(日)
参加費 5~6万円(検討中)
Vol 9 農は天地に浮かぶ大きな舟~資本主義から農本主義の時代へ
日時 12月3日(土)【予定】
問題提起 宇根豊(うねゆたか)さん(農と自然の研究所代表理事)
ネコが世界を動かす旅
~闇から照らし出す新世界(ニャーワールド)
架空の列車に乗り合わせたゲストから、ネコ話を聞く世界旅行。ベルギー(差別)、
パレスチナ(戦争)、水俣(公害)など、ネコをテーマにしながら、差別や人権
(猫権)侵害、文化の歴史を振り返る事で、未来を照らしだすイベント。
■ 開催レポート ■
イベント前日に、熊本で地震があり、中止の文字もよぎりましたが、講師が来福
していたのもあり予定通り行いました。もしかして、人が来ないのでは…と思い
ましたが、こんな時だからこそ、普段の自分の思いをより一層強くしたいと多く
の方の参加がありました。 ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。
以下、レポートです。
人間にとってはかわいい存在、そしてときには家族の役割もする、猫。人間のそ
ばにいる猫が何を見つめてきたのか考えることで、未来の描き方が変わってくる
かも―、そんな思いからスタートした、今回のイベント。猫をテーマに、世界各
国(水俣、ベルギー、パレスチナ)を列車で回る旅、車掌は猫好きイラストレー
ターのいのうえしんぢさんです。まず最初に降りたのは、水俣駅。いのうえさん
が、イエネコの起源や、エジプトでは神格化されていた猫、そして水俣の悲しい
猫実験の歴史について話しました。
列車の中で車窓を見つめながら、話をするということで、次の停車駅ベルギーの
イーペル駅ではえとう真実さんが乗ってきます。えとうさんは、なんと11匹の
猫と暮らすお母さん活動家、そして私(飼ったことないけど)猫好き古瀬かなこ
も乗り込みました。ここでは、3年に一回開かれる「猫祭り」について紹介する
のですが、猫祭りが始まったのには悲しい背景がありました。14世紀から18
世紀のヨーロッパで大規模に行われた魔女狩り、その裏にはペストの流行や、飢
饉、そして貧富の格差の拡大という大きな社会不安があったのです。フラストレ
ーションが募る庶民の感情は権力に利用され、普通の人たちが、少しだけ自分た
ちと違う人たち、(貧しかったり、医療の知識があったりなど)を密告して裁判
にかけていった…というのが魔女狩りでした。そして魔女の手下と思われていた
猫も多数犠牲になったそうです。その過去を忘れず、繰り返すことがないように
開かれるようになった猫祭り。こどもたちのかわいい猫コスプレやパレードを写
真や動画で紹介しました。
そして次の駅はパレスチナ、ガザ駅。8匹の猫と暮らす経済学者、小倉利丸さん
が乗り込みグラフィティライター、バンクシーについて話をされます。バンクシ
ーは、街の壁に落書きをするアーティスト。彼が落書きの手法を取っているのは、
アートが資本主義の道具になっていることへの批判もあります。ガザでは、空爆
で倒壊しかけた壁に猫の絵を描き、世界中から注目を浴びました。ガザを知らな
くても、バンクシーが描いた猫の絵にみんな興味があったからです。
駆け足でめぐった列車の旅のさらに駆け足のレポートになってしまいましたが、
決していい思いばかりをしてきたとは言えない、猫の歴史。猫にやさしい社会は
きっと人間にもやさしい生きやすい社会のはず。和ませてくれる存在に感謝しつ
つ、そんな未来にしなければと思いました。 (古瀬 かなこ)