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仏のよしのさん。

よしの18東芝を地獄に落とした米原発建設「固定価格オプション」

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よしの18東芝を地獄に落とした米原発建設「固定価格オプション」

よしの18東芝を地獄に落とした米原発建設「固定価格オプション」

 

 

http://mainichi.jp/premier/business/articles/20170224/biz/00m/010/003000c?fm=mnm

東芝を地獄に落とした米原発建設「固定価格オプション」

2017227編集部

債務超過に転落(6)

 米国での原発建設をめぐり、7000億円もの損失がなぜ東芝とウェスチングハウスに発生したのか、全容はいまだに判明していない。ただ、ウェスチングハウスが電力会社と交わした原発建設契約の中身が徐々にわかってきた。ウェスチングハウスが建設工事のコスト増をすべて背負い込むことになったのは、建設費用に関する「固定価格オプション」と呼ばれる契約の1条項だったのである。

 A4判2枚の英文プレスリリースがある。日付は2016年5月26日。米スキャナ電力が公表したものだ。サウスカロライナ州のVCサマー原発2、3号機の建設を東芝の子会社である米ウェスチングハウスに発注した電力会社だ。

 リリースには、スキャナ電力が原発建設費用に関し、ウェスチングハウスと取り決めた契約に基づき、「固定価格オプション」を選択することにし、サウスカロライナ州当局に申し出たと書かれている。「オプション」とは契約に盛り込まれた選択肢のことだ。

契約により建設費用の上限が8700億円に

 スキャナ電力は、固定価格オプションを選択するに際し、新たに5億500万ドル(約570億円)を負担する。固定された建設費用の上限は76億7900万ドル(約8700億円)。570億円の追加負担と引き換えに、その後に増える建設費用は、すべてウェスチングハウスの負担になった。

原子力事業の巨額損失問題で引責辞任した東芝の志賀重範前会長=2016年5月6日、宮武祐希撮影

 スキャナ電力は、固定価格オプションは取り消し不能だと指摘し、「これにより、当社の将来のコスト上昇のリスクは制限されることになります」と説明している。

 スキャナ電力は、この「固定価格オプション」の選択について、15年10月に取り決めた契約に基づくものだと明らかにしている。この時に何があったか。ウェスチングハウスが、原発建設を共同で受注していたS&W社を買収すると発表した時だ。

 ウェスチングハウスはS&W社買収と同時に、電力会社との間の訴訟や争いを互いに取り下げ、工期延長や、建設費用の増額を電力会社に認めてもらったと説明してきた。だが、それだけでなく契約には「固定価格オプション」がついていた。

 ウェスチングハウスはジョージア州でも別の米電力会社から受注した原発2基を建設しているが、そちらも同様の状況だった可能性が高い。

「固定価格オプション」の裏にどんな事情が……

 東芝が2月14日の記者会見の際に公表した資料に、「S&W社買収までの経緯」が簡単に記載されている。そこに、「15年10月に、ウェスチングハウスに契約上の追加コスト負担が発生する可能性が浮上」と書かれている。

記者会見で厳しい表情を見せる東芝の綱川智社長=2017年2月14日、宮武祐希撮影

 そして、「S&W買収当時の最重要課題」として、「新たな工事損失負担・親会社保証の発現防止、建設の加速に向けた解決が必要」と書かれている。電力会社との訴訟や争いを放置していると、ウェスチングハウスに追加負担が発生するような契約になっていたのだろうか。このあたりの事情は解明されていない。

 いずれにしても、ウェスチングハウスは15年10月に、電力会社が追加負担570億円で選択できる「固定価格オプション」を契約に盛り込むことに同意した。そして、別の下請け会社が、このVCサマー原発を含め、4基の建設工事の見積もりを行ったところ、61億ドル(約6900億円)もの増加が見込まれることが分かった。ウェスチングハウスが慌てても、後の祭りだったのである。

 

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